あまり意味が分からない。
心臓の音のせいで
雅人の声が聞き取りにくいっていうのも
一理あるけど。
どうしよう
今
絶対
顔
真っ赤だ。
はずかしいっ………━
はずかしすぎる。
「前の約束覚えてる?」
少しの沈黙のあと
口を開いたのは雅人だった。
こちらに近付いている気配を感じ
顔を上げると
距離を少し取っていつつも
何歩か確実に近付いてきていた。
「約束?」
「うん。勉強教えてもらった時の…」
「ああ。…覚えてるけど。」
なんで私に勉強頼んだの?━━
そんな感じの回答を
教えてもらう約束だったような。
そういえば
卒業式に教えてくれるって
言われたっけ。
雅人
覚えてたんだ。
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