「い、いいけど…」
そうゆっくり言葉を口から出すと、
夕陽でオレンジ色に染まっていた、
雅人の茶色い頭がバッッと上がった。
にっこにこした顔が現れる。
「まじ?よっしゃ!なら頼むわ。」
雅人のうれしそうな顔を見たら
こっちまで嬉しくなって
口元がほころんだ。
あたしの顔も
オレンジ色になってたらいいな
そぅ思った。
きっと顔、赤いから……
ドキドキするから。
雅人の
この元気な声とか
笑顔とか
仕草とか
本当
だいすき
「じゃ、今日から図書室で出来る?」
ひとしきり喜んだ後
気を取り直して、私と向き合う雅人。
「うん。私はいつでも。」
「そっか。わかった。じゃ先に行っとくな。」
爽やかに答えて
雅人は、
軽快に教室から図書室へと向かった。
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