次の週━━━━進路相談室にて。
「どうだ。親御さんに話したか?」
「はい。話しました。」
「そして?親さんは何て。」
「あぁ、行ってくれたら嬉しいと…」
「おう、そうか。…村田はどうしたいか?」
さっきから質問ばっかり。
そんなに焦らなくてもいいのに
と思いつつ
「ここに行きます。」
私はようやく
先生が待ち遠しかった言葉を
吐き出した。
すると
それを待っていたかのように
「そうかそうか。お前ならやっていけるぞ!」
満悦な笑顔を浮かべて
改めていすに深くかけ直した先生。
「推薦だからな、面接くらいか。評定は気にしなくてもいいだろう。お前は余裕だから。」
良かったな、と言う先生の顔は
すごくリラックスしていたみたい。
その後
安心しきったのか
軽く大学の説明を受け
いつのまにか先生の昔話を聞く羽目に。
この人の話術の上手さに
小さく感心し
30分後、やっと解放されて
相談室をあとにした。
教室までの廊下をトボトボ歩く。
前はここで雅人と会ったんだよね。
でも…………
今日は誰もいないや。
別に良いけど…。
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