雅人と話すことが減ったことが
こんなに自分にダメージ大きいとは
思いもしなかった。
もう
こんなんじゃ
まともに進路のことなんか
考えられなくなるよっ…。
……………。
「━━━━━━よしっ!!」
気持ちを切り替えて
踵を返す。
━━━あたしも教室戻ろう。
するとカサッ━という音が
足元から耳へ届き
思わずそっちに目を向けた。
ん?
何だろう……━━━
廊下にはもう雅人の姿はなく
白い紙が1枚と私だけが
窓から差し込む
オレンジ色の夕日に染められていた。
なんとなく見覚えのある紙。
無意識で手にとってみる。
カサカサッと
四つ折りにされた紙を広げていくと
そこには
【進路調査票:武内雅人】
そう書かれていた。
元気で少し大きい
雅人の字だった。
見慣れた
愛しい文字だった。
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