「そっか。」



「雅人は?」



「俺も今から。」





久しぶりに呼んだ名前に

鳥肌が立った。





顔もまともに見れていない。

雅人は前のように

堂々と話しかけてこなくなった。




今だって

すごい控えめ。








…何で?


普通に接してほしいのに……。






そう本人に伝えることもできない。

私も私自身に



どうして?



と問い詰めたくなった。






「そうなんだ。」






私も前のように

雅人と話しているときの

ウキウキ感が薄れていた。






その証拠に

自分が返した言葉の素っ気なさに

我ながら驚く。







「…ん?何それ。」





わたしが持っているパンフレットに

気がついた雅人。

それを指差して質問してきた。




「これ?…大学のパンフレット。」




両手にそれを持ち

改めてまじまじと見ながら答えた。

今初めて

中身までよく見たかも。






「へぇ。…きょん、大学いくんだ。」









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