先生の話を最後はまともに聞かずに
パンフレットを持たされた私は
その場を後にした。
ガララララッ━━━━━
進路相談室を出て、廊下を歩く。
すると左方向から
ふと
足音が聞こえる。
反射的にその方を顔を動かすと
見たことのあるような髪型に
見覚えのある歩き方をした男子が1人
こちらに向かって進んでいた。
コンタクトをしているとはいえ
よく見えないや。
目を細めて
よーくピントを合わせると
「あ。」
「あ…。」
2人はお互い
顔を見て立ち止まった。
というか立ち止まってしまった。
「……きょん。何してんの?」
ずいぶん髪が伸びた雅人は
小さな声でそう聞いてきた。
「進路の話だよ。」
答えた私の声は
震えていた。
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