「え!いいいいよ。大丈夫。私ずっとついてくから。」
遠慮して、
雅人の優しさを断ってしまった。
緊張してきて、手に汗が滲む。
「…きょんはいいかもしんねーけど、俺が困る。きょん、小っせぇからな。」
雅人はそう言って、
私の手を引いた。
一気に神経が、手元に集中した。
ええええ、えええ!?
ドキンドキンドキンドキン━━…
心拍数が徐々に上昇していく。
雅人の温かい手が、
私の手を包み込んでいる。
その現実が信じられなくて、
目の前の人物を何度も見上げた。
でも何回見ても、
それは愛しい人で………。
少しずつ、嬉しさで顔がにやけた。
雅人の男らしい手。
私の手のひらから、
そこに、気持ちが漏れていく気がして、
ずっと意識したまんま。
雅人は、どんな気持ちで
私の手を握っているのか、
気になったけど………。
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