キキーッ━━━
雅人が自転車を止めたところは
《Jazz》というゲームセンターだった。
「ココ、ココッ!入ろうぜ。」
ニコニコ顔を絶やさず
店内に入っていった。
私も後に続く。
センター内は、ガヤガヤとBGMが響いて、
人がいっぱいいて、
機械音の音も最強に大きくて、
はっきりいって私には向いていない……
雅人はというと……
キョロキョロして何かを探していた。
不思議に思って、
少し離れた雅人の元へ近寄った。
人が多すぎて…
身体をよけたり、
ひねったりさながら前へ進む。
う゛っ………
狭い………
やっとの思いで
雅人の制服の裾を掴んだ。
その時には、
ずいぶんな遠回りをしてしまっていた。
歩くだけで、疲れる。
「ふぅ…」
裾をつかめてホッと安心した。
ひとつ息を吐くと
「あ。どこいたんだよ、きょん。探してたんだぞ?」
すこし困った顔をしながら
笑った雅人。
なんだ。
キョロキョロって、
あたしを探してたんだ。
………ちょっとドキッてした。
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