「…ご、ごめん。」
一足先に謝っておいた。
嫌な気分にさせた
なんてことも、重大なことなのに、
させた相手が好きな人って……
本当、ダメだって思えた。
「…?何言ってんの?きょんに言ってんじゃねーし。」
伏せていた顔を上げてお互いの顔を見つめ合う。
「え?」
「きょんじゃねーよ。こいつだよ。コ・イ・ツ。」
そう言って、参考書を指差す。
「…コレ?」
「そう。数学とかまじ意味不明じゃん?」
本当に嫌そうな顔してる。
「あ、でもきょんのおかげで√は、分かったぜ。あれだろ?あの…2乗だろ?」
自信なさげに、
だけど、笑顔で教えてくれた。
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