そんな私を不思議に思ったのか
参考書なんかを広げていた手を止め、
雅人は、こちらに目を向けた。
「座んねーの?」
自分の中の何かを突かれた感じがした
慌てて動揺する。
「えっ、あ…あの、その…」
目のやり場に困る。
雅人をみれるわけでもなくて……
「どこ座ろうとしてんの?」
返す言葉が見つからなくて、
黙ってしまう。
雅人の目には、
どんな風に映ってるんだろう。
ていうか、どこ座ればいいの?
本当に聞きたいんですけど……
顔が上がらなくて、
言葉もでなくて、
俯いている私に、
「ココ座ってよ。向き合って座ったらしにくいじゃん?」
自分の座っているとなりを
ちょんちょんと指す雅人。
普通に投げかけてくれることに
ほんの少し、すごいなぁって思った。
その反面
恥ずかしくないんだね…━
そう思ってしまうけど。

