月の果て



「黙れ…っ!!」

デカルトは、立ち上がり男をものすごい剣幕で睨みつけた。



デカルトの脳内に浮かんでくるのは、


一人、

孤独に立ちすくんでいた



あの雪の日─────…




「黙れだと?……ふさけるな!誰に向かって───…」




─────…ドッ


男は、地面へ倒れた。

デカルトが腹を殴ったのだ。



「黙れって言ってんだよ……」

デカルトは、うずくまった男を見下ろした。




「────…っ、お前。拾ってやった恩を仇で返しやがって…」

と男は、呻き声をあげた。