月の果て



「なかなか良いところだね、何もなくて」

キルトは、にこやかに言った。



そんなキルトの嫌みにも気付かずソフィの表情は、キラキラと輝きだした。


「そうでしょう?私、大工さんに習って頑張ったのよ」


そんなソフィの言葉にキルトは、口元を抑えてクックッと笑い始めた。


───…?


「どうしたの?」

ソフィは、首を傾げて不思議そうにキルトを見つめた。



「ソフィは、面白いね」

キルトは、そう言ってソフィに優しく微笑みかけた。