月の果て



「な、何?」


「早く、帰った方がいい」


「え?」



─────…捕まえてあげる。



「ソフィが逃げたら、ソフィの両親とか困っちゃうんじゃない?」



─────…どんな手を使っても...



「………うん、だけど明日が終わるまでは此処にいる。」


「どうして?」


「だって、急に結婚したいだなんておかしいもの。きっとろくでもない人に違いないわ。だから、最大限まで逃げてやるのよ」

とソフィは、ガッツポーズを取って言った。


──────…逃がさない。




「……それは、困ったなぁ」

キルトの妖艶な微笑みは月明かりに照らされた。



「キルト…?」

ソフィは、少し怯えたようにキルトを見つめた。



───…それでいい、



キルトは、にこやかに微笑みながらそっとソフィの髪に触れた。


「…キ、キルト?」

ソフィは、体を強ばらせた。




───…怯えればいい。



だって、俺は────…



「ソフィ───…」

とキルトが囁いた時、



トンッ



その音にソフィは、目を大きく見開いてキルトの腕の中に崩れ落ちた。


キルトは、怪しく微笑みながら




─────…君を逃がしたりなんて、



しない─────…



だから、




ゲームをしよう…………



君が俺を見つけるゲーム。




心と躯に刻む、恐怖を────…



だけど、



「早く、見つけて──…」


とキルトは、哀しそうにソフィを見つめながら囁いた。