月の果て



「───…トラキア!」

と誰かがトラキアを呼ぶ声が、



「おっと!親方が呼んでる。行かなきゃ」

とトラキアは、申し訳なさそうにソフィを見た。



「私ならいいわよ」

とソフィは、笑顔で返した。



「───…ただし、」

ソフィは、深刻そうな顔をしてトラキアを見つめた。


「ただし?」

とトラキアは首を傾げた。






「私を部屋に戻して欲しいわ」





「………………」


ソフィの言葉に数秒間押し黙ったトラキアは、


「あっはっはっは!!」

と急にお腹を抱えて笑い始めた。



「笑わないでちょうだいっ!!」

とソフィは、真っ赤になって言った。