月の果て



「─…、そろそろ。ですかね」

男は、そう言ってどこか遠くを見つめた。



「では、私めはこれで」

と男は爽やかに微笑み立ち去ろうとする。


「ま、待って!」

ソフィは、そんな男を呼び止めた。



「アナタの名前は──…?」


男は、一瞬だけ目を見開いて



すぐに微笑むと



口元に人差し指をあてがい


「秘密です」

と言った。




「ひ、秘密?」


「私は、この城の執事です」

最後にそれだけ言うと男は、踵を返して立ち去ってしまった。