月の果て



「どうだったかな?お姫様、丁度ナタナエル城も見えてきた───…と」



男は、耳をすませた。



────…グスッ..





「───…泣いてるの?」



「…………悪い?」

ソフィは、大粒の涙を流しながら小窓を睨み付けた。





「どうして泣くのさ?隔離されたのはキミじゃない」




「…だって、」

ソフィは、喉を詰まらせた。




「だって、哀しいわ───…。その王子の精ではないじゃない」



「……たとえ、そうだったとしても。みんな誰かの精にしたかったのさ..つまり、誰でも良かったんだよ──…」

男は、哀しそうに瞳を歪ませた。