月の果て



「いいだろう…」

男は、ニヤリと笑った。




「それじゃあ、昔話から始めようか…」





────…昔々、


ある幸せな王国がありました。



その王国は、緑に栄え巨大な湖があり

人々の間には、絶えず笑いがありました。



明くる年、

その王国に1人の王子が生まれました。


それは、この王国にとって第二王子で大変喜ばしい事でありました。




───…しかし、



その王子は、

異形の相を持っておりました。




まず、王国に一つの不幸が…



王子を産んだ妃が亡くなったのです。


妃を失った王の悲しみは、深いものでありました。