-アンビバレント-



月菜に連絡すると、メンバーは今隆也の家に集まって

隆也の大きな7人乗りの車で通夜に向かうと言っていた。



あたしはあたしのアパートに車を停めて

あたしのアパートから近い隆也の家まで

高いヒールで全速力した。




「香保!!…実家帰ってたんじゃないの!?」

一番先にあたしに気付いた清音が

ゴホゴホと咳き込むあたしの背中をさすってくれた。


「すみませ…月菜が連絡したんです。そしたら香保さん急いで来てくださって…」

「そうだったんだ…じゃ、行こ」

「はい」



隆也の運転する車に

康人と清音と月菜とあたしが乗り込んだ。



車の中は


誰も何も話そうとしなかった。