--------------そんな事があってから、9年の時が流れた---------



今では、あのおてんばだった八雲がとても女らしい姿になり、美しい立派な姫になっていた。

そして、15歳を過ぎると、自分ひとりで里に出てもいいという許しが下される。



「お琴、私少し里に出て行ってもいい?」

「ええ。でも、お気をつけくださいませ。姫様に何かおありだと、私の責任になってしまうので」

「大丈夫よ。お琴のせいにはしないから」


昔も似たような会話があったなぁ・・・



「いってくるね。お琴」

「いってらっしゃいませ。暗くなるまでに、お帰りください」

「分かってるわ」



そういって、八雲は里に出て行った。



「・・・・・姫様も、ご立派になられましたね・・・・・」




八雲の後姿を見送りながら、お琴は静かにそう吐いた。