神威は既に泣いていた。

手は、今にも血が出そうなくらい強く強く握りしめていた。


何もできない自分のことが、憎くて、悔しくて、嫌気がさした。自分のせいで、親が殺されたのだと思うと、ボーっと見ていられずにはいれなかった。
とうとう神威は動き出した。

(俺のせいだ!俺がもっと強かったら、みんなを守れたら、こんなことには・・!)


「おいっ!まてガキッ!中にはまだ連中が!!」
そこで神威の腕をつかんで引き留めたのはさっきの人だた。

「放せーー!!!邪魔すんなーー!!」
神威はこれでもかというくらいに暴れまわる。

とうとう、その人の手は神威の腕を離してしまった。