な、なんだ……?今の意味深な笑いは…なんだ?



…そーいえば………宗太は、あいつなりに空気読んでるとか言ってたし。


ん…?と、言う事はだぞ。


要するに、龍雅にもバレてるって事じゃねえのか。



…俺?俺か?俺が分かりやすすぎるのか?



再び1人、思考の渦に揉まれながらも、クラスメートの自己紹介は進む。


俊の番がやって来た所で、俺は視線を前に向ける。



篠山俊(シノヤマシュン)



不思議君で、ど天然で、意外とストレートで情熱的。


結構、いやかなり、俺のお気に入り。


黒髪の短髪は、美春の好み。


一見クールで冷たそうな印象を受けるが、ただ単に何も考えていないだけだと、つい数時間前に知った。


整った鋭角眉に、切れ長の二重の瞳。


どう見ても、一瞬声を掛けにくいようなその雰囲気は、ちょっとキツそうに見えるからだろう。

そして、笑うと頬にえくぼが出来るのを見た時は、俺は腹が痛くなる程声を出さずに笑った。


こういったギャップに、男も女も年齢も関係無しに、俺は物凄く弱い。


背も高くて龍雅と変わらない程で、龍雅とはまた違ったタイプだが顔のパーツだって整っているので、女子にモテるのも時間の問題な気がした。



でもまあ…美春とのラブラブっぷりは、ほぼ公認されつつあるから、特に問題はないだろう。



自己紹介では、しっかりと彼女の存在を明かした俊に、何となく共感が持てた。


だがしかし、龍雅の茶々によって途端に呆れてしまう俺だった。


頼むから、俺の番の時は黙っててくれと願わずにはいられなかったのは言うまでもない。