「瑠衣斗に、こんなにも友達が居るとはな」
「最初は俺、来る学校間違えたかと思った!!」
「俺も。試験受けた学校って、ここだったよな〜って」
慶兄の言葉に、龍雅と俊がサラリと酷い事を言う。
むっとしたが、確かに入学初日から受けた変な視線に、なんとなく納得する。
あぁ…なるほど。
そゆ事ね。
どーせまた、ガラ悪ぃとか言うんだろう。
俺ってそう見られてたのか。
自己完結した所で、ふと気が付くと、隣でクスクスと笑う声がする。
チラリと視線を移せば、花が綻ぶような笑顔で小さく笑うももが目に入る。
笑われているには違いないのに、俺の事で笑っていると言う事が嬉しい。
今は栗本なんかじゃなく、ただ俺の事を考えていると言う事に、簡単に気持ちが浮上する。
「ねー!!まさかももが、るぅちゃんみたいなタイプの人と友達になってるなんて、ビックリした!!」
「え?そう…かな?」
美春が言うなら、そうなんだろう。
今まで連む事もなかったようなタイプなんだろうな。俺って。
「もう少し色を暗くすれば、まだ目つきが鋭い、ってぐらいにおさまるんだけどな〜」
「あー。るぅの黒髪見てみたいかも」
まあ、兄弟だし、慶兄の言葉は確かに正解かもな。
でも、黒髪短髪の俊にそう言われると、なんだか苦笑いしてしまいたくなる。
俺は俊の金髪、見てみたいぞ。
でも、髪の話題と言えば、やっぱり一番に浮かぶのが美春だな。
なんて思いながら、恋ってすげえ力持ってんな〜…。
なんて、そんな事を思った。

