「高校生ねえ…懐かしいなあ」
「そう?まだ卒業したの最近じゃん」
「成人すれば、さすがにそうは言わないな」
「へー。そーゆうモンなんだ」
テーブルに並んだ、大量の塩焼きそば。
言っては何だが、慶兄は料理が上手い。
そして、いつも必ず数種類の品数で、どれも美味しい。
でも、こうしてどかんと一品を出す時は、相当疲れてたりするんだ。
一口食べてみると、さっぱりとした塩味が口いっぱいに広がる。
好みの味に、食欲が増す。
おっ。うま。
今度味付け教えてもらお。
もくもくと箸を進める中、慶兄の視線を感じる。
チラリと顔を上げ、そのまま視線を受け止めた。
……な、なんだ…?
何かを含んだような笑顔を疑問に覚えながらも、お茶を流し込む。
「好きな子でもできたか?」
「ぐふっ…」
「おっ。当たりか」
「ちっ…ちげーし!!イキナリ変な事言うからだろう!?」
「どんな子なんだ?」
「だからー!!」
ああ…マズい。
完璧バレてる。
せめて余計な事を言わないように、口にもくもくと焼きそばを運ぶ。
顔に熱が集まり、熱くて堪らない。
「照れるなよ。教えてくれよ」
「だーから違うって!!!!」
完全に遊ばれていると分かりながらも、俺は太刀打ちなんてできなかった。

