やけにスッキリとしたような俊が、俺に爽やかな笑顔を向けてくる。



人の恋路なんて興味ねえ。

でも、俊と美春だからこそ、上手く行ってほしいと素直に思ってたりする。



「るぅは典型的な恋煩いだな〜」



「こいわ…っておい。その言い方やめてくれ」



まさかこんな風に、俊と2人で飲み明かす事になるなんて思ってもみなかった。



微かな寝息を耳にしながらも、結局その日は朝方まで俊と話をして過ごした。



くだらない事から、コイツらの事、学校の事、趣味の事…etc…。



俊に対して話した事が、なんだか自分にも言い聞かせているようで、なんだか見えなかったモノが一瞬見えた気がした。



俺は俺のペースで歩けばいい。



……でも、高い壁が目の前にそびえ立っているのは明白だ。


考えないようにする事なんて、無理に等しい。




イガグリやろうめ……。

どう出るつもりなんだ。


ももはどうするんだろう。





淡い胸の痛みに、慣れる事なんてできない。


ももを想うだけで、自分のモノではないような感情が、今にも溢れ出しそうになる。


傷なんてないのに、胸が染みて痛い。


この気持ちを吐き出したら、俺は楽になれるのだろうか。




気怠い体が鉛のようで、それよりも遙かに気持ちがずっしりと重たいままだった。





そして次の日、酷い二日酔いで休日を寝て過ごすハメになったのは、言うまでもない。