「半分ノロケで半分マジ」
「半分はノロケだったのか……」
真面目に答える俊が、ようやく視線を上げる。
真顔でそんな事言っちゃう辺り、やっぱり俺のツボだな〜…なんて再確認してみたり。
少しからかってやろうかとも思ったが、あまりにも俊が真剣な顔をするので、咳払いして気持ちを切り替える。
まあ、付き合うってのは幸せだけじゃねえしな。
俊は俊なりに、悩んでたりすんだろうし。
「どうしてそう思うんだ?」
「…分かんねー……なんでだろうな」
俺の言葉に、ようやくふっと表情を和らげた俊に、俺は苦笑いしてしまう。
「やっぱノロケだろう」
「かもな〜」
なんとなく、俺にも今の俊の気持ちが分かるような気がする。
大切で仕方のない物程、居なくなった時の事を考えてしまう程不安になる。
それは、付き合っていても付き合っていなくても。
ツレや仲間にだって、同じ事を当てはめる事ができる。
生きていれば、必ず別れはやって来るから。
それは、生きてく内で付き物なんだ。
「るぅってさ、彼女居たりした?って、当然居たよな〜」
「…まあ…それなり?に」
「どうして別れたんだよ」
そんな言葉に、思い切り顔がひきつる。
苦笑いもいいとこだろう。
でも俺は、ゆっくりと口を開いた。
「ん〜…なんつーか、俺…最低だから」

