誕生日会と言いつつも、いつもと変わりない時間。
ただ、サプライズがあったり鍋をこの時期に食べたりと、違った事はそれくらい。
こんなささやかな誕生日会だが、なんだか物凄く嬉しかった。
自分ですら覚えてもいなかった誕生日を、みんながこうして覚えていてくれた事が、幸せに感じた。
「はーいるぅちゃん!!これ美春から〜♪」
「…ん?え、なに?」
ニッコリと笑った美春が、首を傾げながら、両手で綺麗にラッピングされた包みを突き出している。
反射的に受け取り、美春と包みを見比べてみるが、頭の中は「?」でいっぱいだ。
「誕生日プレゼントだよ。さすがに分かろうよ!!」
「えっ?」
「はい、コレは私から」
「ええっ!!」
誕生日プレゼントと知り、驚く。
そして更に、ももからまで立て続けに手渡され、思い切り驚く。
誕生日プレゼント…?
えっ、プレゼントまで?
しかもコレ……ももから…?
「俺らからは、まとめてな〜♪ももと美春が居ない時に渡すからな!!」
驚き戸惑う俺を余所に、龍雅がいやらしく言い放つ。
そして、意味深な言葉に反応したのは、俺ではなく美春だった。
「えーっ!!なになに〜?何プレゼントするの?」
「そんな無垢な事言うなよ〜」
興味津々に身を乗り出す美春に対して、龍雅がやっぱりいやらしく笑みを浮かべている。
そんな様子からは、どうせろくでもないモノを用意してきたのだろうと安易に想像してしまう。
でも俺は、そんな会話の内容よりも、ももから手渡されたプレゼントの中身が、気になって仕方なかった。

