こんなサプライズをされ、迷惑とは思わないが、正直素直に驚いた。
なんだかベタにも思えるし、こっぱずかしさだってある。
高校生にまでなって、こんな風に誕生日を祝ってもらえるなんて、予想もしなかったから。
そして、もう一つ本音を言ってしまえば、正直嬉しかった。
「ケーキ食べようよ。どうする?切ってくる?」
「いんじゃね?そのままみんなで突っつけば」
ももの言葉に、宗太が大胆な提案をする。
一瞬、またなにか大変な事になりそうな予感もしたが、敢えて飲み込んでおく。
宗太の言葉通り、その方が俺ららしい気もしたから。
「じゃ、食おうぜえ!!いただきまーす!!」
「あ〜っ!?主役はるぅちゃんなんだから、一口目はるぅちゃんでしょお!!」
「ホントだよ。龍雅は遠慮ないんだから」
美春とももの言葉も空しく、龍雅が思い切りフォークで丸いホールケーキを崩す。
やっぱりな、な展開に、自然と笑いが漏れた。
「なーんだよ別にいいじゃんかよ〜。あ、ほれるぅ!!笑ってねえでお前も食え!!」
「はいはい、いただきます。ももと美春も、早くしないと龍雅に全部食われるぞ」
大好物のプリンではないけれど、ハッとして慌ててフォークを握りしめたももに、やっぱり吹き出す。
そんな様子が可愛くて、ももの誕生日には龍雅より先にケーキを食べてやろうかな。なんて、嫌われてしまいそうな考えが浮かんだ。
結構大きなホールケーキが、あっと言う間にボコボコになっていく。
みんなで一つのケーキを囲んで、フォークの先で崩していく。
気持ち良い程の減り具合に、食べ盛りの凄さを思い知った。

