不測の事態に慌てるのは、龍雅ではなく俺に違いない……。
あいつ、一芝居打ったに違いねえ。。
「だはは!!るぅ真っ赤!!」
「お、すげえ。美春、写メ写メ」
「俊、や、やめろ…」
鍋の次はケーキか……。
つか、コレが二次会??
ひるむ俺をよそに、美春と俊が大盛り上がりだ。
携帯を構えた美春と俊から逃げるように、熱い顔を隠すように背ける。
その途端、ばっちりとももと目が合う俺。
…う……。
「ケーキ、食べるでしょう?」
「あ…ああ」
……かわいい。
上目に見つめられ、潤んだ瞳が俺をダメにする。
ふにゃん、なんて笑った顔をされて、断れる奴なんか居るのだろうか。
俺の返事を聞いた途端、パッと表情を明るくし、たれ目の瞳を更に下げ、嬉しそうに笑う。
ケーキに対しての笑顔に違いないのに、こんなにも気持ちが高ぶってしまうなんて。
反面、なんだかケーキすら負けた気になってしまうから痛い。
「るぅ!!写メ撮らせろよおー!!」
「だから撮らねーって…」
龍雅の言葉で現実に引き戻され、俺はガックリとうなだれたのだった。
こんないじられキャラ、嫌だっ。

