｢まあ、自分の気持ちに嘘だけはつくなよ〜。後悔するならやってからだろう。いつでも相談くらいしろよ？｣
｢うん。サンキュ｣
のんびりとした宗太の言葉に、少しだけ背中を押された気がした。
支えてくれている人が居ると言う事が、こんなにもありがたい存在だとは。
だからなのだろうか。
ももの力になりたい。そう思うのは。
｢意外と慎重派なのね。るぅたん!!｣
｢うっせえよ｣
慎重派…なのかもしれないな。
でもそれは、ももが相手だからこそなのかもしれない。
失いたくない存在だから。
報われない想いかもしれないが、こんなにもそばに居たいと思うんだ。
｢終わったー!!…ん？どうしたの？｣
勢い良く開かれた扉から、美春が元気良く顔を出す。
思わず驚いて、目を見開いたまま振り返った。
｢ビビったー!!美春かよ!!もうちょい静かに登場しろお!!｣
｢え？龍ちゃんに言われたくないなあ〜｣
心臓の音がやたらと響いて、バクバクと脈打つ。
話していた内容が内容なだけに、予想以上に驚いたようだ。
どうやら俺は、ももの話になるとやたら過敏になるらしい。
｢どうかしたの？｣
｢美春が部屋入っただけで、すんごく驚かれたから｣
｢…なんで？｣
｢静かに登場しろって!!｣
そこへ、美春の背後から現れたももに、内心小さく溜め息を吐き出した。
