モヤモヤとした嫌な感覚が、胸をどんどん浸食していく。
自分がもどかしくて、情けなくて堪らない。
気持ちを素直に伝える事は、こんなにも難しい事なのか。
「まあ、栗本はまだ動いたワケじゃねえんだし!!まだそんな顔するタイミングじゃねえよ!!」
「そうだぞ〜。てゆーか、そんなに悩むくらいなら、一度告白してみればいいだろう」
龍雅の言葉に落ち込みかけ、宗太の言葉で落ち込む。
できるもんなら、してるさ。
……………多分。
簡単に言えるもんなら、すぐにでも気持ちを伝えている。
でも、そうできない理由があるからできないんだ。
「…まだ、時期じゃないと思ってるんだ」
目を伏せて、一口煙草を深く肺に入れる。
もう少し、俺には時間が必要だ。
これでもいろいろ考えて、自分なりに答えを出そうとしているんだ。
「俺みたいに、その場の気持ちで言っちゃうのもね。自分で言うのもなんだけど、どうかと思うし」
「俊の場合両想いだったしな!!ありゃー俺ん中でもう既に伝説だ!!」
俺の中でも、俊の告白は伝説なんだけどな。
確かに、その場の気持ちで言うのも有りかなとは思う。でも、博打みたいなモンでリスクがでかすぎる。
さっきの寝起きの時の俺は、どうかしてたのかもしれない。
ってゆーか多分、そろそろ気持ちのメーターも、振り切る直前なのかもなあ。
自問自答を繰り返してきた中でも、結論なんて出てこやしない。
気持ちは溢れ出しそうなのに、俺の中でブレーキが自動的にかかってしまうんだ。

