このまま…ね。
まあ人間、簡単には変われないし。
このままでいいのなら、別に性格を変える必要もない。
……って、性格さえも変えるつもりだったのか、俺。
それにしても、面白味って。
俺で楽しみすぎじゃあねえか?
でもまあ、なんとなく話の流れは良い方へと向いてくれた。
今は友達や仲間、そう思ってもらえているだけでも、俺には十分贅沢なんだ。
無条件にそばに居れる事が、こんなにも幸せな事だとは。
「でも、宗太が龍雅みたいになっちゃったら、ちょっと面白いかも」
「ほーお」
「おい!!俺みたいになっちゃったら、ってなんだよソレ!!」
宗太が龍雅みたいなっちゃったのを想像して、内心ゾクリとする。
これ以上、小悪魔…いや、悪魔の化身にでもなられでもしたら、…閻魔大王………。
…うん。余計な事は言わないでおこう。
嘘をつかなくても、笑いながら舌を抜かれる。
「美春そんな宗ちゃん見てみたい〜!!あ、でも龍ちゃんみたいにはなってほしくないなあ」
「だな。龍雅は1人で十分だ」
たたみかけるような美春と俊の言葉に、少しだけ衝撃を受けたように龍雅が眉をハの字にする。
こんなにも綺麗な顔をしているクセに、鼻にかけない態度や性格を認めている訳だけども……。
何故こんなキャラクターを定着させてしまったのか、やっぱり分からなかった。
「なんだよー!!じゃあ俺がるぅみたいだったら良いのかあ!!」
「龍雅、誰もそんな事は言ってないし、間違いなくなれないだろう」
龍雅の叫びとは裏腹に、俊の言葉がやけに響いた。

