チラリと見ると、やっぱり宗太は嫌みな程の笑顔を浮かべ、龍雅と俊、更には美春にいたっては笑いを堪えている始末だ。
なんっちゅー話ふっかけてんだ。
宗太め……。
「で、なんの話だったっけ?……るぅが何だっけ」
「いーや!?何でもないぞ?き、聞きまちが…気のせいだろう」
「…るぅじゃなくて宗太に聞いてるんだけど」
俺の体を張った防衛のおかげか、ももは話の内容を頭から飛ばしてくれた。
なんだか宗太がふっかけた質問は、遠まわしに俺がももに好意を持っているように気付かれてしまうような、そんな気がしてならない。
だからなんとしても、阻止したかった。
それに、なんだか聞いてしまうのが怖くてたまらなかった。
きっと、ももにとって俺は、仲の良い友達止まりに違いないから。
ももの気持ちを知ってしまうのが、たまらなく怖いから。
「るぅが龍雅みたいな性格だったら、って話だっけ?」
「!!」
えっ、ちょっと内容は変わったけど、しっかり思い出してんじゃねえよ!!聞きたくねえんだよ!!
そんな思いが伝わる筈もなく、抵抗なんてできずに固まって構えるしかない俺の耳に、ももの言葉が届く。
「なんかイメージできなくない?るぅはこのまんまがいいと思うけどなあ」
「そりゃ間違いないな。じゃなきゃ面白味がなくなる」
「…面白味?って?」
「いや、こっちの話」
そして俺は、嬉しいような悲しいような、微妙すぎる心情に襲われた。

