近所迷惑になるんじゃねえか…?と、思ってしまう程の大音量。
静かな住宅街には、それは安易に声を響かせている。
なんとなく押され気味だった俺だったが、その理由にようやく気が付く事になる。
「――…勇磨?」
「あ、ただいま〜」
ギクリとして目を向けた先には、玄関から出てきてこちらに歩いてきている1人の女性。
背は低く、ショートでふわりとした髪、その目はパッチリとしたクリクリの目で………。
「お母さん…ただいま」
お母様!?まさかまさかの、お母様まで登場!?
えっ?なに?
ドッキリ?ドッキリカメラ?
龍雅?龍雅だろう!?
思わず辺りをキョロキョロと見回した俺は、紛れもなく挙動不審だったに違いない。
「そちらは…?勇磨のお友達?」
ほれきたー。やっぱりきたー。って、当然ちゃ当然だけど。
無駄に暴れる自分のチキンハートを抑えつつも、口からは飛び出してくるんじゃないかと言う程の暴れっぷりの俺のチキンハート。
彼氏でもないのに、まるで彼女の親に挨拶に来た時ってこんな感じか?なんて思ってしまう俺。
でも反面、彼氏でもねえんだから。と、逆に堂々としていればいいじゃねえか。なんて考える事もできた。
ゆっくりと視線を上げて、不思議そうな顔をするもものお母さんと、しっかりと目を合わせる。
額から汗が垂れてきたような気がしたけれど、気にする暇なんてなかった。
「はじめまして。ももさんのクラスメートの、松風瑠衣斗です」
数回瞬きをしたもものお母さんの表情は、本当に心底不思議そうな表情だった。

