面白い程、ひょいひょいと口に運ばれるいちごパフェ。
もものピンク色の唇に、紅を挿したようにイチゴソースが彩りを添える。
赤い舌が、それをペロリと拭う姿に、生唾を飲み込んだ。
どんな感触なんだろう。
……どんな味なんだろう。
俺にはまるで、それが禁断の果実のように思えてならない。
それは知恵の実。すなわち善悪の知識を持つと言う事。
俺が口にした所で、善も悪も関係なしに、理性のタガが外れてしまって歯止めが効かなくなるのだろうけれど。
よっぽど真剣に見つめていたのだろう。
ももが首を傾げ、不思議そうな表情を浮かべて俺を見つめる。
「…たべる?」
「………。」
食べる?って…。
まさに今まで考えていた事を言い当てられてしまったような、そんな衝撃に全身が包まれる。
内心ドギマギする気持ちを落ち着かせようと、冷静さを装う。
自分の汚い感情と考えに、ヘドが出そうだ。
男ってどうしてこう………あぁ、情けない。
「るぅちゃん?」
「食う」
疲れてんのかな。俺。
やっぱり溜め息を吐きたくなる俺の唇に、押し付けられた冷たい感覚。
ビックリして思わず口を開けると、甘く爽やかな風味が口いっぱいに広がった。

