「あと大輔体育科だったよな？」
「え？ぁ、あぁ…」
「だったら金貯めて専門学校とか行って
資格取ってスポーツ関係の仕事したら
まだまだ野球に関われるぞ」
「あ…。」
「何だよ考えてなかったのかよ;;」
「ぁ…ぃや…」
「高校にはいたぞ。
３年の春に肩壊してマネジになって
どーしても野球やめられなくて
トレーナーになるって専門行った奴」
その時伊藤が
懐かしそうに、
ちょっと嬉しそうに笑ったから
きっと高校時代仲の良かった奴なんだろう。
「そっか…。
すごいな…。」
「そぉかぁ～？」
「おぉ」
俺は怪我してから
自分が嫌で、回りも嫌いだった。
でも部活してるときだけは
忘れてたんだよな…。
でも寮に戻って自主練しに行く
大地は見たくなかった。
自分勝手に言った約束を
必死に守ってくれてるのは
わかってたけど嫌だった。
自分だけ置いて行かれるみたいで
―――嫌だった…。
でももぅその気持ちは捨てて
新しい自分見つけないとな……。
今日伊藤に会えてよかった。
「これすぐに腹いっぱいになるな」
「だろ」
「つーかそばとうどんで味違うの？」
「違う違う!!」
「じゃぁそれ食って帰ろう」
「おぉ」
