試合が終わった後、
3年生はそれぞれ思った事を
後輩に言いに行った。
俺はたいして思ってなかった…、
っというか試合はほとんど見てなかったし、
自分の事で精一杯だったから
後輩のところには行かなかった。
でも基が俺の所に来た。
基は守備が中学の時から上手くて、
俺が3年の時スタメンを取っていた。
高校のときは田中がバランスがよかったから
スタメンを守りきった。
基の課題は攻撃面だったから、
今年まではアルプスだった。
でも秋からはスタメンだ。
そんな奴が俺の所に来た。
「言い方悪いッスけど…。
俺、河野さんから打つ自信ありました。
でも打てなかった…。
何か…すんげぇ悔しいんス…。」
下を向いて小さな声で言う基。
多分、俺が思っていたよりずっと、
コイツは俺から打てなかったのが
悔しかったんだと思う。
たった1打席。
でも基には悔しかったらしい。
「………。」
「見下してるつもりは無いッス…。
でも打てる自信はありました。」
そぅ言っても少し見下してるって
感じる分部はある。
でもそんなの関係無いよな。
後輩のために、
何を言ったらいいのかわからなかった。
俺はただ投げるのが楽しくて、
投げたくてそのために頑張ってて、
打つほうに関しては得意じゃないし、
この雰囲気で、
何て言ったらいいのかわからなかった。
後輩のために、
何て言ったらいいのか分からなかった…。


