――――カキィインッッ
打球は右方向…!!
―――矢島ッッ!!
打球は詰まった当たりで
少し深めに守っていた矢島は
捕れずにヒットになった。
2死満塁―――…。
次は岩本だ。
「……「ふざけんなよ矢島!!」」
叫んだのは神戸だ。
「さっきの捕れたはずだぞ!!
ふざけんな!!
もっと前!!」
神戸は大声で守備位置も教えていた。
頼む、岩本で終わってくれ…。
「……。」
目を閉じて息をゆっくり吐いた。
岩本で終わらせる―――。
「2番 センター 岩本」
岩本も怖い顔で打席に入ったのは
この場面で点を入れたいと思ってるからだ。
緊張してるのは俺だけじゃない。
岩本だってこの打席、
追加点か試合終了の2択しかないんだ。
俺だけじゃない――…。
『内角にシュートを入れる』
―――カィイン!!
初球を狙っていたのか打ってきたけど
打球は足元の地面に当たってファール。
『フォークを低めギリギリ』
フォークはあんまり投げてないけど
不安は無い。
今までいっぱい投げてきた球だ。
自信どころじゃない。
そんな直感がした。
瀬田の喉ぐらいを狙って――。
投げた場所もけっこういいところ。
岩本もバット動いてる―!!
「ック…!!」
「ボール!!」
「スイング!!」
瀬田のスイング要求に
健はノースイングの判定。
1-1
『内角にストレート』
わかっていたみたいに頷いて構えた。
息を吐いて重心を前にした。
「…っ…!!」
力一杯投げた。
――――カキィインッッ!!
「―――!!??」


