「内海来い!!」
大きな佐藤の声にびっくりして
打席を見たら山本が
急いでボールを追いかけている。
暴投だ。
「ワイルドピッチ?」
「そ、変化球が抜けなかったんだろ」
近くにいた田中に訊くとそぅ言ってた。
内海はゆうゆう生還。
嬉しそうにベンチに戻っていって、
打席の近くに立っていた佐藤に
ハイタッチを求められると
少し恥かしそうにハイタッチをした。
「ナイス内海!!」
「追加点!!」
「ナイスランな内海!!」
「かっこいいなぁおい!!」
「秀人すげーぞ!!」
「お前足速すぎ!!」
「ナイスラン!!」
「ナイスな内海!!」
ベンチにいた選手に頭を叩かれると、
嬉しそうにはにかんでいた。
「ナイスラン!!――内海!!」
「ははっありがと大地」
26人の中で
1番練習服がドロドロな内海。
下半身は勿論。
顔にまで土がついてる内海。
また誰かに声を掛けられて
嬉しそうに笑ってる内海。
そんな内海がかっこよく見えたんだ。
「ナイスな内海。」
ベンチに戻って水畑にそぅ言われた。
今日は制服の格好で、
真っ白なワイシャツが眩しい。
俺の憧れで、目標で、
尊敬している人で、密かに心の支えだった。
いつも試合で起用されるのは水畑か下田で、
俺は1回も無かった。
そんな俺が還った。
なぜが水畑の表情が複雑に見えたんだ。
何かを考えてるような表情を、
しているように見えた。
守備でも、攻撃でも、
水畑はすぐに声をかけてくれた。
それは俺の事、
認めてくれたって思ってもいいの??
水畑がこんな表情をしているのは、
俺のせいだって思わなくてもいいの??
そぅ思うと少し恐くて不安になった。
ここで気の弱さを出したくなかった…。
「何で内海がそんな顔すんだよ!!
次の守備も頼むぞ!!」
見せた笑顔は――…
―――いつも通りの眩しい笑顔だった。


