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│8回 表│
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「1番 ファースト 斉藤」
交替ファースト:基和也→斉藤圭太
基はこの回で交替だ。
ベンチにいる基を見ると
普通に試合を見ていた。
「………。」
試合に出るのが当たり前だって
思ってるんだったらそれは間違いだ。
そんな奴、山田にはいねぇーよ。
強豪高にはいるかもしれないけど、
絶対そんな風に思ってる奴は
少ないと思うんだ。
俺、野球上手くないから
上手い人間の事はわかんねぇけど
少なくとも俺はそぅ思いたいし、
そぅ思い続けたい。
俺は、いつでも全力でやりたいよ。
瀬田のサインは
『速いストレートを入れる』
瀬田がミットを殴る。
息を吐いて前を強く見た。
負けたくねぇよ――…
―――バンッ
「ストライクッッ!!」
さっきの球は投げた俺でも分かる。
たぶん自己最速…。
指がいい具合にかかってたんだな…。
『内角低めにストレート』
さっきの球が外角高めギリギリ
内角の球は当たり前に使う。
「――ッッ…」
ここ……
――――振り切れッッ!!
――――カキイン
打球はホームベースの近くで
鈍くバウンドした。
「ナイスボール!!
追い込んだぞ!!」
「フッ!!」
振ってきたな。
まぁ斉藤ってブンブン振り回す
タイプの打者だしな。
だから一発が怖い。
気ぃ抜くなッッ踏張れッッ!!!!
瀬田は外角低めに構えている。
サインに頷いて構える。


