「上坂、調子悪いのかな?」
「龍??」
隣にいた田中が
俺の顔を見てから上坂を見た。
「…………そんな感じは無いけど…。」
田中と上坂は同じ中学出身だ。
しかも小さな時からの親友。
そんな田中の言う事を信じてみた。
「ちゃんとアップしないで
打席行ったからだろ!!」
って田中はいつもみたいに笑った。
龍がベンチに戻って来た。
暗いオーラをめちゃくちゃ出してる。
こんな龍をショートに置いてたら
みんなが不思議がるよな。
「何やってんだよ龍」
笑顔で言うと龍は苦笑いした。
「野球人生最悪な三振。」
「確かにタイミング合ってなかったからな」
笑いながらアクエリ渡したり
プロテクターもらったりしてるけど
頭ん中は必死なんだ。
どうやったら佐藤先輩を忘れられるのか。
どうやったら龍を楽にしてやれるのか。
わからないんだ。
でも時間は全然無くて
龍はグローブを持ってベンチを出る。
だからとにかく…
明るく見せる事しかできないんだ。
「おっし!!守るぞー!!
河野の邪魔だけはすんなよお前ら!!!!」
「「「「「うっせー黙って見てろ」」」」」
そんな光景を見て龍は笑った。
龍、頑張ってくれ。
俺も佐藤先輩を忘れるからさ。


