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│7回 裏│
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「8番 ピッチャー 河野」
初打席だ。
でも出たいぞ。
西田はボール先行しやすい感じだ。
焦っているのか、戸惑っているのか。
でもその焦りとか戸惑いは
悪い物じゃないと思う。
焦ったりするのは、
『無失点にしなきゃ』
とか思ってるからだ。
もし、西田がそぅ思っているのなら
俺は西田のことが好きだな。
この点差でも諦めない西田は
凄い投手だと思う。
西田の球筋は打席で見たことが無い。
ブルペンだったらさっきまで
見てたんだけどな。
球速はそこそこ。
伸びも普通な感じだ。
打った事無いから重いかは分からない。
でもたいして重くは無いと思う。
花田がレフトオーバー打ったし、
金吉も強烈なの打てた。
内海もセーフティ打てた。
俺も打つぞ。
振ってくぞ。
振らないと当たんねぇんだからな。
初球の入り方が問題だよな。
さっき珍しく山本が西田の所に
行ってたから…。
何が言ってるのは間違いないんだ。
ここで西田の投球が変わるんなら、
ヤバイぞ……。
「―――ボール!!」
初球は内角のボール。
ストレートだ。
ボールだ。
でも―――…。
ちゃんと腕振り切ってた。
自信か??
ヤケクソか??
だとしても、西田の投球は変わった。
少しだけだけど、
雰囲気が変わった気がする。
「ストライク!!」
「――っ」
ほとんど同じところにツーシームを
投げられてストライク。
「(ゃべ、…俺手ぇ出なかった…;;)」
「タイム」
タイムを要求して
靴紐を結びながら落ち着かせた。
「大地振れよー!!」
「振らねぇと当たんねぇぞ!!」
「見逃しとかすんなよ!!」
「振ってけぇー」
「当たるぞ!!」
「もったいない事すんな!!」


