「9番 キャッチャー 草野」
チャンスだ。
チャンスでの打席は久しぶりだな…。
打ちたい。
なのに、サインは『スクイズ』
そんなもんなんだな。
バッテリーもピリピリしてんだろ。
今までのところ、
5回1/3
12安打 3失点 2死四球 奪三振3
だ。
このスコアみると
ほとんど連続安打で得点してんな。
長打打てるのが少ないのも
弱点だったのかもな。
花田、転がすから走ってくれな。
初球は外してきた。
外に外した方がランナー見やすいからか。
確かにサインはスクイズだよ。
原田、カンいいな…。
でも、俺だって勝ちに貢献したいんだよ。
―――…カンッ
「(ゲッ;;)」
「「「「「ゲッ;;」」」」」
「「「「「ぅわっ;;」」」」」
ピッチャー前!!
思いっきりダメダメじゃねーかッッ;;
満塁だから本塁はフォースアウト。
―――せめてゲッツー塞げ!!!!
―――ダンッ
―――バシンッ
「セーフ!!」
「ナイスラン!!何とか繋がったぞ!!!!」
「うっせぇー」
喜べねぇよ(泣)
ベンチに帰る花田。
『ごめん』と謝ると苦笑いをして
「ドンマイ」と言った。
「アウト!!」
草野はスクイズ失敗だ。
ピッチャー前だったもんな。
ツーアウトだ。
出番はもぅ少し………。
「大地?」
「ぁっ悪ぃ…。」
わざわざキャッチボールしてくれている
新谷を無視してボーッとしていた。
「緊張?」
「かも(笑)」
「いまさらかよ(笑)」
「ん?」
「この前の試合は緊張してなかっただろ」
「………確かに…。」
あの時は投げるのが楽しかったんだ。
打者と、ランナーと、
勝負するのが楽しかったんだ。


