「??」
あまり首を振らない証治だから
尚更不思議に思うのは当たり前だ。
『外角にスクリュー』
念のために送ったサインに
証治は首を縦に振った。
外角にスクリューって…
外れるじゃないか……。
スクリュー
変化球。左投手が投げるシンカー。
軌道は右から左に変化する球。
シュートより遅い。
0-2になったら不利だ。
それなのに、
分かってるのに、
証治の強い目を見たら
外角に構えていた。
最後には『最後の試合だ。どーにでもなれ』
って思って構えた。
証治の球は、
構えた所から少しだけズレたけど
バットには擦ることなく
俺のミットにおさまった。
『低めにチェンジアップ』
スクリューが思った以上に遅かった。
もぅ1度緩急入れるぞ。
チェンジアップは少し浮いたけど、
タイミングがズレていて
原田は空振った。
2-1でいつの間にか追い込んでいた。
「(証治にリードしてもらって
どーすんだよ;;
俺がリードする側だろ!!
いつも通り!!)」
証治は証治なりに
ハードルを上げてるんだと思う。
でも俺も同じだ。
ハードル上げていかないとな……。
『直球』
サインはこれだけだ。
両手を広げて『広く広く』と送った。
緩急が2球続いた。
多少甘くても打たれない自信がある。
――――カキィイインッッ!!
「ファースト!!」
「一番谷ぁー」
「潤!!」
打球は振り切ったから高く上がった。
方向はファーストのファールフライ。
一番谷が追い掛けて行って
捕球してアウトだ。


