打てよ高宮ッッ!!
今日は当たってない高宮。
ここで打ってくれ!!
――――カキィィイインッッ
打球を目で追う。
打球はセカンド正面。
「「「「「――ッッ!!」」」」」
4→6→3の順番にさばいてゲッツー。
「「「「「「「「「「…………。」」」」」」」」」」
高宮は顔を上げて
顔をくしゃくしゃにしていた。
苦しそうな顔をしていた。
「「「「「「………。」」」」」」」
1番悔しいのは…高宮だよな…。
打てないんだから。
いつものバッティングが
できてないんだから。
チャンスが来るんだ。
チャンスができているんだ。
―――でも打てない。
悔しいのは、
苦しいのは、
――――高宮だ。
『7番 ピッチャー 上野くん』
相手も先頭打者出したいのは同じだな。
こっちが0点で喜んでる。
1点取りゃぁそれで終わりだからな。
チャンスって思ってんだろ。
アルプスも声がでけぇもん。
「先頭出すなよ!!」
「守備しっかり!!」
「バック頼むぞッッ!!」
「先頭切るぞ!!」
「篠岡頼むぞ!!」
「打たせてけ!!」
野手だってわかってる。
声が出てる。
「………。」
高宮……。
「高宮ッッ!!
切り替えろッッ!!」
大きな声で言っても
高宮には聞こえていないみたい。


