「篠岡楽に楽に!!」
「打たせろ!!」
「サード来い!!」
「ファースト来い!!」
「打たせろ!!」
「楽に!!」
「バッター勝負!!」
ダメだ。
泣くな…。
泣くな。
「泣くな…。」
肩に変な力が入ってる。
真夏なのに指先が冷たい。
整えたはずの息が…荒れる。
集中しろ。
敵は前。
自分じゃない。
打たせていいんだ。
打たせろ。
バック信じろ。
でも―――…
――――――HRなら……??
2ランで同点だ。
ダメだ。
打たせたらダメだ。
三振にとらないと…。
確実な方をとらないと…。
確実に勝てる方を取らないと…。
三振に―――…
「篠岡!!」
目の前にいる新谷が
両手を大きく広げた。
広く広く!!
軽くミットを叩いた後に
指で投げる仕草をする。
腕を振れって合図だ。
肩にも手を置いてる…。
落ち着け。
最後に構える。
ミットが大きく見える。
新谷…。
息を軽く吐いて、
後ろにいる3塁ランナーを目で牽制。
新谷の
ミット目掛けて投げろ!!
――――パンッッ
「ストライク!!」
「ッオッシャァァアアッッ!!!!」
何だか簡単にストライクを
取ってしまった気がする。
でも、
腕は振れてた。
牽制も出来てて冷静だった。
いい感じに集中できていた。
このままでこの回終わらせるぞ!!


