「まだ1点あるよ!!」
「諦めない!!」
「しっかり声出して!!」
相手のアルプスも声を出し始めて
球場はもの凄く賑やかになってきた。
「次切るよぉーっ!!」
篠岡は―――……
―――まだいける。
諦めるな篠岡ッッ!!
太陽とこの空気で汗は滲み出てきた。
「水分補給しっかりして下さいね!!」
後ろのみんなに言うと数人は飲み始めた。
熱中症とかで倒れたらきっと選手も気にする。
そんな事したくない。
アルプスのせいで負けさせたくない。
篠岡が気になってじっと見ていたら
篠岡はくるっと回って両手を挙げて
何かを言っていた。
声ははっきり聞えなかったけど
きっとバックに頼む、と言ったんだと思う。
緊張する5番打者。
しつこく牽制してクイックを続けている。
クイック:投げ方の1つ。
相手打者の意表を突く投げ方。
初球は高めのボール。
初球だからか見た。
2球目は外の変化球で
カウントを稼いだ。
3球目は内に入ってファールにした。
4球目は低めに外れたボール。
その間に牽制を入れた。
「篠岡フンバレ!!」
「追い込んでるんだから楽に楽に!!」
「ピッチ楽に!!」
「センター来い!!」
「おー!!レフト来い!!」
「っしゃー来い!!」
「打たせてけ!!」
「吉村打てるぞ!!」
「見えてる見えてる!!」
「吉村デカイのいらないぞ!!」


