篠岡が短く息を吐いた気がした。
前に重心を掛けて意識が前に行くとき…
「2塁走った!!」
「「「「スチール!!??」」」」
投げた球が高いッッ!!
打たれる!!
――――カキィィイインッッ!!
上手い!!
ライナー性の当たりで
内野を越えて外野の前に落ちた。
「センタぁー!!」
打球は信之助の目の前へ。
「バックホームッッ!!」
ランナーが走ってるから間に合わない!!
「3塁!!」
ショートの長谷川がカットして
3塁に投げた。
―――ズサァァアア…
どうだ…。
「セーフ!!」
球場が歓声に溢れた。
2塁ランナーは走っていたから
楽々ホームイン。
1塁ランナーは走っていたから3塁だ。
打者は1塁にいる。
「「「……。」」」
「「「「「「オッシャァァアアッッ!!」」」」」」
「ナイスラン!!」
「ナイバッチ!!」
「………。」
「……。」
「………。」
声が出ないだろうな…。
ってかここで仕掛けてくるとは
思わないだろ。
2点のビハインドで1・2塁のチャンスで
どちらかと言えばきっちり送って
1点を確実にして行くのかと思っていた。
誰もここで仕掛けてくるとは思って無かったよ。
「声出せ声!!
同点じゃねぇんだぞ!!」
「諦めるんなら交替しろ!!」
「声出せ!!」
そぅ声を出したのはベンチだった。
その声に気付かされて
アルプスも声を出し始めた。


