青空の下で投げた一球【編集中】





軽く吸った息を、

フッと軽く短く吐いて

バッターボックスに入った。




今の篠岡は相手投手じゃない。

打撃投手だ。


走者は緊張感を出すため。

応援歌はリアル感を与えるため。



「フッ」



篠岡は、

そんな事を考えてる俺のことが読めたのか、

いつも以上に強い目で見てる。




「ッッ!!!!」


篠岡の第一球目は、

低めの球。

このままだと中途半端になるから

必死にバットを止めた。


こんなので篠岡との貴重な1打席を

終わらせてたまるか。




「……っボール!!」


「ナイセン!!」

「見えてるぞ!!」


篠岡のボールは本当にストライクゾーンを

ギリギリ外れていたボールで、……



「っしゃぁ儲けぇー…」

つい本音と笑みが出てしまった。





「………。」




次のボールが何なのか、

それを考えるだけでも楽しい。



崩すためにチェンジアップ?

それとも内角にスライダー?

それとも真ん中あたりにシュート?

それとも俺が教えたフォーク?


たぶん、―――…


「っ!!」


予想していたストレートじゃなくて、

俺の体勢を崩させた

『チェンジアップ』だった。




「っ…」


何なんだろうな。

崩されたのに、

ストライク取られたのに、

悔しいのに、

嬉しがってる自分がいる。





「何なんだろうな……」


笑みが零れて困る。