「9番 ピッチャー 河野さん」
目の前には篠岡。
その周りには3人の走者に
守備の4人。
人がやけに多く見えた。
2死満塁。
しかも5回。
リードはしていても
追加点は欲しい。
そんな場面に―――…
――――俺が打席に立ってる。
―――…たぶん……、
「大地頼むぞ!!」
「打ってくれッッ」
―――…ベンチからの声援も、
パープーパープーパプッ タンタタタタタタタンッ
パープーパープーパプッ タンタタタタタンッッ
ダンッダラッダ ダンッダラッダ ダンッダラッダ
パーープパープーパー ブァーブーッブァー
ウィ・ウィル・ロックユー
から、
チャンスのときにする
アフリカン・シンフォニー
が流れたことも、
―――…たいして気にしないで、
―――…このチャンスを楽しむことにした。
『絶対打つ』
じゃなくて
『打とう』
『絶対還す』
じゃなくて
『還そう』。
こんな凄い内容で、
こんな凄いチャンスで、
篠岡と勝負ができるのは、
きっと一生無い。
緊張してこんなチャンスを潰したくない。
―――――…楽しもぅ。


