「…。」
「「「「「っっしゃぁああっ!!!!」」」」」
3塁ベンチから喜んだ声がした。
俺のほうのベンチは1塁側。
つまり……篠岡の打球は落ちたって事。
ライトを守っていた加藤は打球に飛び込んだのか倒れていて、センターを守っていた西本がコロコロ転がっているボールを追いかけて今捕ったところだった。
「「回れ回れッ!!!!」」
3塁コーチャーが大きく腕を回している。
1塁走者だった信之助はもぅホームを踏んで喜んでベンチに戻っていった。
その笑顔は、いつも見る笑顔。
俺がアルプスから見ていた笑顔だった。
「………。」
「西本っ!!」
今内野にボールが戻ってきた。
篠岡は走るのも速いから3塁にいた。
篠岡の笑顔もいつもの笑顔。
篠岡は野球が本当に大好きだから本当の笑顔を見せるんだ。
「大地」
「……っあっはい!!」
花田がボールを持っていた。
花田は?な顔をしている。
花田からボールをもらって振り向くと瀬田が走ってきていた。
「悪い大地…」
「ううん。こっちも悪い。少しあがって絶好球だった」
「まぁ正直に言えばそぅだな。……大地、気にするな。次の馬場で終わらそう。ここ大事だからな。締まっていくぞ」
「おお!!」
自分のグローブと、瀬田のミットを合わせてマウンドに上がった。


